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2006年11月26日 (日)

『Breath Less』迷言集 final

 迷言集finalです。一応。
 リクエストがあれば喜んでアップしますよ。

○S#84 ビル街の街角──

  長 峰「吉岡」
  恵美子「はい」
  長 峰「怖くないか」
  恵美子「怖いです」
  長 峰「よし、ションベンちびるなよ」
  恵美子「はい、ちびりません」
  長 峰「よし、お前看板屋むいてるぞ」
  恵美子「そうですか」
  長 峰「高いところを怖がらない奴はすぐ落っこちやがる」
  恵美子「なんか人生みたいですねえ」
  長 峰「生意気言うな、バカ」
  恵美子「すいません。……親方」
  長 峰「何だ」
  恵美子「『仙人』読みましたか? 龍之介です。芥川」
  長 峰「文学にいそしむ青年期を送っていたら違う人生があったかもしれん」
  恵美子「クー(と奇声を上げて)、親方」
  長 峰「しゃべってないで、手も動かせよ」
  恵美子「はい。何か聞こえませんか」
  長 峰「……そりゃお前、街が呼吸してんだろう」
  恵美子「ふう~ん……親方」
  長 峰「うるせえな、何だ」
  恵美子「かっこいいですよォー」
  長 峰「バカタレが!」

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コメント

このラストシーンはすきだなぁ。恵美子がふっきれていて気持ちに余裕がでてきたことが伝わってくるのね。服部とうまくいかないから徹へという安易な選択をしないところがいいし、仕事のシーンなのに自然体でしかも前向きのエネルギーを感じる。高いところが好きな私にはたまらない場所だわ(アホかもしれない)
たしか壁には「風に吹かれて」が英語で書いてあったような気がする。やはりディランからですかねー。

投稿: かと | 2006年11月28日 (火) 22時12分

○かとさん、
 どうもありがとうございます。
 撮影の前にアドバイスを求めた人の中には、ラストには徹と恵美子を出会わせるべきだという意見もあったのですが、ぼくとしてはそういう映画を作るつもりはなかったので、このシーンを褒めていただくとホッとします。
 恵美子がラストにどんな仕事をしているかについては、キーワードを“町のアート”としてずいぶん考えました。ショーウィンドウのデコレーションなんてのもあったのですが、もっと過酷な場所で肉体を酷使するほうがいいなあ、とかね。
 あれこれ迷ったあげく最後はもう理屈を飛び抜けて単純に好みで看板屋にしたんです。

 じつはぼくは高いところが駄目で、しょっちゅう落下する夢に苦しめられているのですが、撮影の時だけは別人のように看板の上辺によじ上って「ヨーイ、スタート」をかけていました。いま思い出すだけでもゾオッとします。

 ボブ・ディランの「風に吹かれて」は、Blowin' In The Wind だったと思います。
 看板の文字は、Blow in the Wind です。
 blow in には「ひょっこりやって来る」なんて意味もあるようです。ま、言葉の訳はさておき、いろんな解釈をしていただいてよいと思っています。

投稿: 渡辺寿 | 2006年11月29日 (水) 00時16分

わたしなどは「ひょっこり来る人」の典型ですが、
徹と恵美子のそれぞれの人生については、作者の意向とは離れていくと思うけど、わたしなりに10年後くらいまで想像してにんまりしています。たぶんみなさんも自分なりに考えた二人の未来を心の中に持っているのではないかしら。ただ、言えるのは、深く悩んでいて人生の岐路に立ったとき、心の扉をひらいて背中を押してくれた人、その人の言葉は、そのときはわからなくても心に沁みていて、後になって、はっと気がついたりします。徹はそんな人として、恵美子の心に焼きついているのではないかな。

投稿: | 2006年11月29日 (水) 18時26分

↑上のコメントの名前が抜けてました。
たぶんインフルエンザの予防注射をしてきたので、頭がぼーっとしているせいだと思います。もうしわけなし。

投稿: かと | 2006年11月29日 (水) 18時28分

しかし監督大盤振る舞いですね~~
こんなにもの迷言集。
私には嬉しい限りです。。

筒井君の出てるドラマや芝居のビデオ等、
何回も見て、それこそ全部台詞覚えちゃうくらい見ます。

でもこのブレス・レス一回こっきりしか見れて無いんですよ(泣) 
なんだろーなー
それなのに憶えてるんですよ、一つ一つの台詞
多少間違ってますが(笑)
入り込んで、見てたので自分との会話と勘違いしてるかな?脳が・・

ところで、ここに書くことでは無いかと思いましたが。。お許しください。
本日の朝日新聞の夕刊にマラソンの瀬古利彦さんが恩師の監督との出会いの事が書かれていました。
その監督は初対面の時に「お前らを強くするためならなんでもできる」と頭を壁に何度も打ち付けた。砂も食べてみせた。
とありました。瀬古さんには情熱のほとばしりと受け止めたそうです。

凄いですよね。素敵ですよね。
人生で一人でもこんな人にめぐり合えたら・・

長くなってごめんなさい。。

投稿: みみ | 2006年11月29日 (水) 18時52分

○かとさん、
 おっしゃるとおりです。そのとおり!
 喉に詰まっているものを、ガサガサガサッと掻き出してもらったような気分です。ありがとう。

○みみさん、
 はい、大盤振る舞いです!
 こんなことするの、日本の映画界にはいないんじゃないでしょうか。これ、自慢じゃなくて自虐の意です。
 でも脚本を書くとき、一方で読まれる脚本を書こうと思い、他方で媚びを売らない無愛想な脚本を書こうと頭の中で喧嘩をしながら書いています。

 朝日新聞夕刊、いま読んだところです。
 すごいね。越えるべき障壁はすべて自らの中にあるのだと思い知らされます。
 この「人・脈・記」シリーズは大好きです。切り取ってスクラップしながら読んでいます。人と人が出会って発する火花のすごさをひしひしと感じますね。
 どうもありがとう。

投稿: 渡辺寿 | 2006年11月30日 (木) 00時38分

ご無沙汰です。

『ブレスレス』DVD化おめでとうございます。
2008年1月25日発売だそうですから、随分先ですが、
缶蹴り娘やシャンプー少年(出てきませんでしたか?)のシーンなど、あれは何だったのかな、と反芻してみたいです。

投稿: rokuya | 2007年11月20日 (火) 00時40分

○rokuyaさん、
 こちらこそご無沙汰しました。
 コメント、ありがとうございます。
 rokuyaさんは情報が早いですねえ。
 DVD、1月25日発売の予定です。
 公表して良いという連絡をまだもらっていないので発表できずにいました。
 近いうちに詳細をお知らせできると思います。
 ブログも更新しなきゃと思っております。

投稿: 渡辺寿 | 2007年11月21日 (水) 00時17分

おや、もう予約を受け付けているサイトがありますよ。
DVDだけでなく、VHSも出るんですね。

ブログの新しい記事もお待ちしております。

投稿: rokuya | 2007年11月22日 (木) 00時11分

○rokuyaさん、
 おや! おやおや? ですね。
 VHSも出るんですか。知らなかった。
 明日、さっそく確認してみます。

投稿: 渡辺寿 | 2007年11月22日 (木) 00時37分

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